NEWS | テクノロジー
2020.06.01 15:00
スウェーデンのチャルマース工科大学は、前腕を失った人が日常生活で使える、リアルに触覚が感じられる義手を開発している。
研究チームは「思いのままにコントロール」できる義手とも呼んでいるが、装着者の神経、筋肉、骨格に接続された、「神経筋骨格義肢」という新しいコンセプトのものだそうだ。
このインプラントシステムは、Integrum ABが製作した「OPRA」をベースとする「e-OPRA」というもので、オッセオインテグレーションと呼ばれるプロセスによって骨に義手を固定。電極を筋肉や神経に埋め込み、義手と脳のあいだで双方向の信号のやり取りを行う。
また、義手を操作するため腕から電極へと送られた筋肉と神経の電気信号は、組み込んだ小さくて高度なAI制御システムにより、解釈が行われる。
腕や足を失った人は、失ってもなおそこに手足があるかのように感じるという。これは「幻肢」と呼ばれる現象で、今回の義手では内蔵されたセンサが力を感じると、まさに幻肢のように失われた手の感覚が得られるのである。研究チームによれば、この技術は間もなく完成だそうだ。