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2020.05.26 14:45
スペイン出身のデザイナー Omayra Maymóは、ビールの製造工程から出た大麦の廃棄物で作った台座「MALTA I」を紹介している。
ハイネケンから依頼を受けて製作したもので、同社との関連性を示す作品が求められた。そこで、CO2排出量を削減するという同社の活動を背景にした、資源活用を表現するようなデザインを目指したという。
製造工程では、大麦の麦芽はビールに風味がくわわると取り除かれて、廃棄物になる。これをセメントで固め、有機−無機複合材料を作製。通常のセメントよりも軽量で優れた性質をもつそうだ。
古代中国ではモルタルの質を上げるために伝統的に米が使用されてきた。これと同じように、建設資材に麻や籾殻などの有機素材を混ぜる利点は広く研究されている。より高い断熱性や強度などを実現しながら、従来のセメント製造で発生する大量のCO2を削減することができるのだ。
そこから生まれたこのモジュラーブロックは、さまざまな構成が可能。今回はブロンズカラーのガラス板と組み合わせ、これを重ねた台座を作った。台座だけでなく、柱やトーテム、祭壇として使えるそうで、ブロックの見た目の重厚感とガラス板の光学的な明るさのコントラストが際立っている。