アーティストEkow Nimakoが10万ピースの黒いレゴ®で
黒人文明の歴史を表現する作品「KUMBI SALEH 3020 CE」を公開

カナダ・トロントを拠点にするレゴ®アーティスト Ekow Nimakoは、中世アフリカ・ガーナ王国の首都からインスピレーションを得たアート作品「KUMBI SALEH 3020 CE」を公開した。

10万ピースを超えるレゴブロックを使用した彫刻で、1000年が経った現在からありし日の大都市をイメージ。30平方フィート(約2.7平米)におよぶもので、2019年秋にトロントのアガカーン ミュージアムで開催された同氏の展覧会「Building Black: Civilizations」のメインを飾った作品である。

この首都は、かつて地中海沿岸諸国と西アフリカを結んだ「サハラ交易」ルートにあった人口の多い文化の中心地で、途絶えることのない黒人文明を解き放つというコンセプトを美的に表現。その歴史を取り上げ、祖先が負った心の傷を癒しながら、すべてのアフリカ人が未来へ前進するイメージを目指した。

いわゆる「アフロ・フューチャリズム」に位置づけられる彫刻で、奴隷制や植民地主義、暴力によってまだ確立されていない「黒人像(Blackness)」を問い直し、人種差別や抵抗、強靭さといった過去と現在の経験をビジュアルランドスケープに落とし込んだ。

同氏は、西洋の物語から黒人像を取り戻し、黒人の想像力や意識のなかにこの黒人像を据えようとする。そして、レゴ®を使いながらもその四角い形をこえて、アフロ・ヒューチャリズムの美しさを際立たせている。End

▲Photography by: Rene Johnston, Samuel Engelking and Christopher Katsarovluna