NEWS | テクノロジー
2020.05.20 15:30
米カリフォルニア大学バークレー校の研究機関「BAIR」(Berkeley Artificial Intelligence Research)は、全方向・高解像度でセンシングできる小型の触覚センサー「OmniTact」を開発した。
この分野では、「GelSight」と呼ばれるセンサーをロボットハンドにとりつけるものとして近年注目を集めてきた。このGelSightは、モノを掴むと形状や表面のテクスチャなどが高解像度で把握できるもの。しかし、サイズとしては大きく、片側でしか判断できなかったという。
これに対して、ドーム型をしたOmniTactは、私たちの指のようにすべての面で=全方向でセンシングができ、GelSightよりもコンパクトなサイズを実現。
素材は、GelSightと同じくシリコンゲルを採用。そのなかに、焦点距離 5mmの医療用内視鏡カメラを複数埋め込み、そこからシリコンゲルの変形をキャプチャして、さまざまな情報を判断する。このセンサーを指のようにグリッパやロボットハンドに組み込むことも可能だ。
実験では、ロボットハンドにOmniTactを搭載して、置かれた電気プラグを取り上げて、壁にあるコンセントに差し込む操作を実施。模倣学習アルゴリズムを使い、100回ほどのトレーニングを重ねるだけでタスクを正確に実行できるようになったそうだ。