NEWS | サイエンス
2020.05.14 14:20
京都大学の萩野浩一理学研究科教授と前野悦輝同教授は、原子核の陽子の数に着目した、新しい周期表「ニュークリタッチ」を考案した。
今回考案した周期表は、中学の教科書にも登場するロシアの化学者 メンデレーエフによる元素の周期表に似ているが、元素記号の並び方が異なっている。
「すい、へー、りー、ベー」でおなじみの、水素(H)、へリウム(He)、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)といった順はこれまでのものと同じだが、ヘリウムの下には希ガス安定元素のネオン、アルゴンなどではなく、酸素、カルシウムなどが並んでいる。これにより、従来のいわゆる凹型ではなく、横長の周期表ができあがった。
原子核に含まれる陽子の数が2、8、20、28などになるとき、原子核は安定になることそうだ。こうした陽子の数は「魔法数」(マジック・ナンバー)と呼ばれる。今回の周期表はこの魔法数を軸にしたものである。
この新しい「原子核」の周期表ができたことによって、これまでの元素の周期表との比較が容易になり、魔法数を含めて原子核の性質を学ぶ上での新しい指標になるという。研究グループは、今後は大学の教科書などにもこの原子核の周期表が掲載され、教育に活用されることを期待している。