NEWS | インテリア
2020.05.13 15:45
香港を拠点に活動する デザインデュオ Batten and Kampは、新作のファニチャーコレクション「Shelter to Ground」を公開している。
大きな石と金属板を組み合わせた、チェア、テーブル、ライト、ミラーからなるユニークなコレクションで、自然と人間という相反する2つの力のあいだにある調和を素朴な形で表現。大都市と原生林が緊張しながら共存する香港のなかで、静寂を見出したいとの想いから生まれた。
ガラスパネルやシンプルに曲げた金属板に、自然のなかで見つけた石をていねいに置くことで、ありのままでありながらエレガントな作品が実現。文字通り手つかずの石は、重りとしても作品の一部としても機能する。
制作プロセスは手作業で、まず石を見つけ、これと調和するように金属・ガラスの寸法を決定。それゆえ、それぞれの作品は最終的に異なる形状をもつことになる。彼らはこれを「偶然とのコラボレーション」と考えている。
「デザインとしては逆さまのプロセスといえるでしょう。形を先に決めて、そこに自然を押し込むのではなく、まず天然の素材を見つけ、これにできるだけ優しく応えるのです。見た目の複雑さを最小限にするというよりも、既存のものへの干渉を最小限に抑える、という意味でのミニマリズムです。すでにそこにある美しさを強調したいだけなのです」と語る2人。
「このコレクションは実用的な家具でもありますが、むしろ瞑想するためのツールです。供石(自然に形成された美しい石)や李禹煥の作品のように、さまざまな素材や場所、風景、思想などを通じて、私たちは自然との関係について深く考えたり感じたりすることができるのです」。