NEWS | 建築
2020.04.27 16:20
米ワシントンD.C.を流れるアナコスティア川では、新しい公共スペース「11th Street Bridge Park」の建設が進められている。歴史的に異なる川の両サイドは、橋と公園で結ぶことで合流し、共存する交差点となるだろう。
建築設計事務所 OMAのデザインでは、川の両岸からスロープが伸び、X字形に交差した橋を形成。どちら側も跳躍台のようにせり出しており、景色を最大限に見渡せる場所にたどり着く。
2つのスロープが交わる橋の中央は広場として、マーケットやイベント、パフォーマンス向けの柔軟なオープンプラザとなる。さらに、歩道は両方ともアクティビティの中心となり、遊びやリラクゼーション、学習、集会などができるエリアが連なる。
プラットフォームの上からは、アナコスティア川や橋の上でのアクティビティ、ワシントン・ネイビー・ヤード(ワシントン海軍工廠)などの有名なランドマークを眺めることができる。一方、その下には日陰や休憩所も提供。スロープの両端からは水が流れ落ちるそうだ。
ユニークでアイコニックな構造の橋だが、コミュニティが川のある景観にアクセスできることを目指すもので、お互いのコミュニティへの新しい玄関口として、地域の文化や自然の歴史を紹介することで活性化されるだろう。
訪れた人は年間を通じて橋や近隣コミュニティで時間を過ごし、くつろいだりリフレッシュしたりできる施設や季節ごとのイベント、さらには橋全体として暑さ寒さをしのぐことができる。
また、パフォーマンスエリアやカフェは橋の下に作られ、川を見下ろす親しみのあるエリアができるなど、コミュニティと川の関係も強化。環境教育センターが学生や訪れた人にさまざまな学習の機会を提供し、アナコスティア川の生態を完全に回復させる担い手となることを期待している。