中国・重慶市のランドマーク「Banan Stadium」が改修
近隣地区に活気を取り戻す

中国・重慶市の巴南区にある「Banan Stadium」は、街のランドマークのひとつだったが、スタジアムとして十分な機能や設備がなく、スポーツイベントが開催できずに完成まもなく使われなくなってしまったという。また、これによって近隣地区の魅力も下がってしまったそうだ。

そこで、北京の建設設計事務所 URBANTECTが設計する改修プロジェクトを実施。スタジアムと近隣地区に活気を取り戻すことが求められた。

設計上の大きな課題の1つは、スタジアムの主要構造部には手を加えることなく、歴史あるランドマークであることを維持しながら、ストリートライフを活性化するという作業を並行して実現することだった。

地区全体の都市設計として、スタジアムとその向かいにある体育館および複合施設のあいだに広い遊歩道を設け、南東サイドはストリートライフ向けとし、北西サイドは建物の歴史的価値を残したデザインを採用。

さらに、南東サイドではファサードを上下に分割。上部にはアルミ製のパンチングメタルで包み込み、スタジアムのサイネージを取りつけてダクトや配管を収納。パンチングメタルは高く持ち上げて、市民の視線にスタジアムが入るようにした。

一方、ショップが入る下部はファサードをブロックごとに分割して、スタジアムの出入口も確保している。

北西サイドではファサードの外観を変更。壁、梁、柱からもともとのコーティングをはがし、ダークグレーでシンプルに仕上げた。

ショップエリアはガラス張りのファサードとし、1階の上にはベランダも配置。また、広告や掲示板が設置できるようにカラフルな金属製のボックスを追加し、その端を斜めにカットしてステンレス鋼の反射板を取りつけて、ショップと歩行者とのあいだにインタラクティブなつながりをもたせている。End