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2020.04.22 13:54
ドイツ・ベルリンを拠点に活動するアート集団 Plastique Fantastiqueは、医療従事者向けの個人用防護スペースのデザイン「Mobile PPS」を公開した。
新型コロナウイルス治療の最前線で戦う医療従事者にとって深刻な問題のひとつは、マスクと防護服の不足である。彼らはつねに感染リスクと隣り合わせなのだ。
そこで考案したMobile PPSは、透明な防護スペースで患者を治療できるエアドームのようなスペースである。
内部は一定の過圧状態を保つことで空気はつねに外部に流れるそうで、ウイルスがなかに入り込むことはないという。また、屋外や別の除菌したスペースから内部につながるダクトを介して換気が行われるので、空気はいつもきれいな状態なのだそうだ。
また、ユニットには複数のエリアが設けられている。一番外側はエアロックで、防護服を着たり、消毒を行ったりすることができる。ファスナーで仕切ったその隣にあるのがケアユニットで、ここで医師は患者を診察。側面に開いた穴から防護手袋をはめた手を出し、直接治療することも可能。また、医療機器を設置することもできるとしている。
さらにケアユニットの向こう側には休憩エリアを設けて、交代で休息をとることも可能だ。
こうしたエアドームはPlastique Fantastiqueがインスタレーションでよく使うもので、今回公開した画像も、実は過去のインスタレーションの模様に医療従事者をコラージュしている。アート作品が医療の現場でも活用できる可能性を示すプロトタイプだろう。