NEWS | 建築
2020.04.22 15:00
物流大手の鈴与では、静岡市清水区にある本社ビルのリニューアルプロジェクト「CODO」が行われた。ロフトワーク Layout Unitがプロデュースし、後藤周平建築設計事務所が設計を手がけたプロジェクトである。
リニューアルの中心となったのは、5Fにある社内イベント用の「講堂」。これを「CODO」と改め、仕事、会議、食事、イベントなどさまざまな使い方に対応する空間へと一新。
ワンルームで天井が高い既存の空間を生かし、箱状の段をずらしながらドーナツ状に積み上げて、立体的で回遊性のある空間とし、多様な用途に対応できるようにした。
立体的な構成とすることで、お互いの視線を気にせず、また遠くにいても身近に感じられるなど、独特の遠近感が生まれた。囲われた場所や空間全体が見渡せる場所など多様な居場所ができ、段差も床やベンチ、デスク、イベント時はステージと機能を切り替えることができる。
また、内部は備蓄倉庫となっており、海に近く高い建物の少ない周辺地域の災害避難拠点にもなっているそうだ。
積み重なった段は、家具としては大きく、建築としては小さいスケールで、家具と建築の中間的なものだという。この独特のスケール感によって、変革を求められる時代のオフィスに必要な、働く人が使い方を自由にアップデートしていける、余白のある空間ができあがった。