NEWS | サイエンス
2020.04.22 14:40
リモートワークが広がるなか、NASAの火星探査車「キュリオシティ」に携わるチームも自宅で家族やペットがいる横で活動を続けている。
2020年3月20日以降はジェット推進研究所には誰も現れず、その2日後にはチームが火星に送信した指示をキュリオシティが着実に実行。「Edinburgh」と呼ばれる地点で岩石サンプルの採掘に成功した。
チームは数週間も前からリモートワークの準備を進め、オペレーティングシステムを再考。ヘッドセットやモニターなどの機器が各自に配布されたという。
もちろん、研究所と同じというわけにはいかない。自宅のPCで火星からの3D画像を見るために、簡単な赤と青の3Dメガネを用意。研究所で使用していた特殊ゴーグルほどの没入感や快適さはないが、キュリオシティの活動やロボットアームの動きを計画する上では問題ないそうだ。
また、通常は探査車のプログラミングには、20人ほどが1か所に集まって指示の開発・テストを行い、なおかつ別の場所にいる何十人ものスタッフとやり取りすることもあるが、現在は、複数のビデオ会議を同時に行いながら、メッセージアプリも活用。
全員の了解を得るには余計な労力がかかり、日々のプランニングには通常よりも1〜2時間多く消費。1日に送信できる指示の数も限られているが、それでもキュリオシティは歩みを止めず、科学の発展に貢献している。