外出自粛中、東京の住居スペースと
日々の生活について考える

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、日本政府は全国に緊急事態宣言を出し、不要不急の外出や人と人との接触を控えるように国民に要請した。

しかし、住居スペースが限られている東京都内では、人々は自宅でどのように過ごしているのだろうか。そんな東京の住宅事情についてロイターがまとめている。

2018年に政府が実施した最新の住宅・土地調査によると、対象となった東京の680万世帯の平均的な床面積はおよそ66㎡。都心のマンションではもう少し狭くなるという。ちなみにロンドンの平均は80㎡だそうだ。

そこから玄関やトイレ・バスなどを除いた、寝室、リビング、キッチン、ダイニングなどの居住エリアは平均で41平米となる。

もちろんこれは平均の広さで、その半分に満たない19.7㎡以下の世帯は都内で140万戸、日本全国では570万戸もあるそうだ。こうしたコンパクトな住居は、木造アパートやユニットバスのマンションで、布団は床に敷いている人が多い。また、東京では75,900世帯が9.8㎡しか居住エリアがないとしている。

こうしたスペースにはやはり複数人が住んでおり、平均すると日本全国では一世帯あたり2.3人、東京では約2人。

これを1人当たりの居住エリアで見てみると、東京の平均は20.2㎡、そのうち130万世帯では11.4㎡、25,400世帯では4.8㎡になってしまう。ちなみに、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が定める難民キャンプの1人あたりの居住エリアは4.5~5.5㎡で、その狭さをうかがい知ることができる。

ロイターは東京に住む人たちのインタビューも紹介しているが、いずれにしても、以上のような東京の住環境において自宅待機やリモートワークを求められたら、大きなストレスを抱える人も増えるだろう。 

未知の状況が続くなか、人々はこうした環境において懸命の努力を続けている。限られた空間のなかでどうストレスを溜めずに生活していくか、これまでとは異なる価値観が求められているのかもしれない。End