NEWS | サイエンス
2020.04.09 14:00
欧州宇宙機関はこのたび、北極の上にオゾン層の「ミニホール」が発生したと発表した。よく知られているオゾンホールは、毎年秋に南極大陸の上空に形成されるもので、北極上空で見つかるものとしては異例なのだそうだ。
今回は、衛星「Copernicus Sentinel-5P」が収集したデータから、研究グループが北極圏上空のオゾン濃度の大幅な低下を発見。公開された動画は2020年3月9日から4月1日までの北極圏のオゾンレベルを示しており、北極圏にぽっかりと穴が開いていることがわかる。
これまでにも時折、北極の上にミニオゾンホールができることはあったそうだが、今年のものは、直近数年間のものに比べてはるかに大きいという。もっとも、南極で観測されるオゾンホールに比べればまだ小さいものだとしている。
ちなみに、オゾン層の破壊がこのまま進むと思われがちだが、最新の報告書「オゾン層破壊の科学アセスメント」(Scientific Assessment of Ozone Depletion: 2018)では、成層圏にかかるオゾン層の一部は2000年以降、10年間に1~3%の割合で回復しているそうだ。
これによると、このまま行けば、北半球と中緯度のオゾンは2030年頃に、南半球では2050年頃に、極地では2060年頃に回復すると予想している。