NEWS | 建築
2020.04.07 16:15
カナダ・モントリオールのデザインオフィス La Firmeが手がけた「Melk Coffee Bar」の店舗設計は、あまり例のない困難なスペースを使ったプロジェクトだという。そこで美しさと機能性のバランスを取るのは、デザイン的にハードルが高かったそうだ。
こうしたバランスの難しさにくわえて、行き交う人々が見落としがちな店舗にどれだけ多くのデザインを盛り込めるかが課題となった。
フロアは三角形で壁面はカーブしており、先細りになっているという困難なスペースでありながら、既存のブランドにも合わせ、将来的な展開を見据えて天井は高くしなければならなかった。
そこで、生産ラインを見せるようなアプローチを採用。つややかなコーヒーメーカーを並べて配置し、作業の様子を覗いたり、スタッフと客のあいだにインタラクションが生まれるように店内を通路状にした。
カウンター近くのテーブルはかさ上げしてバーの高さに合わせ、シートは人間工学ギリギリの24席を設置。以前のスペースは窮屈だったが、美しさを追求したアプローチにより、限られた素材ながらも時代を超越したものに仕上がっている。
狭くなった端のスペースはスタッフエリアとし、ディテールや打ちっ放しのコンクリート、配管、14フィート(約4.2m)の天井など、すべてをむき出しにしている。明るい色で塗装したり、意外なところにセラミックを使ったり、木材を使用するといったオーガニックなアクセントも施している。