NEWS | グラフィック / 工芸
2020.04.02 16:16
東京・竹橋の東京国立近代美術館工芸館は、2020年夏に石川県金沢市に移転・開館する。これに伴い、通称となる「国立工芸館」のロゴタイプが発表された。
制作は原田祐馬が率いるUMA / design farmによるもので、国立工芸館のサインとして活用するほか、ポスターやチラシ、封筒、ホームページなどで活用されることになっている。
同氏は、「私たちが着目したのは『工』という漢字でした」と語る。文化人類学者・竹村真一氏の著作「宇宙樹」(慶應義塾出版社)において、「工芸や人工の“工”という字は、もともと二本の横棒で表現された「天」と「地」を結びつける「人」の営みを表していた」との記述に感銘を受けたという。
そこから、上下のラインを支える中心の線に重心を感じるエレメントをつけ、シンプルさの中に力強さとしなやかさをもたせた国立工芸館のロゴタイプが生まれたそうだ。
また、エントランス正面の中庭には、 陶芸家・金子潤による3mを超える大型作品「Untitled (13-09-04)」を設置。来館者迎える国立工芸館のシンボリックな作品となる。
アメリカ・オマハの金子スタジオで制作された〈ダンゴ〉シリーズのひとつで、石川県が九谷焼など有数のやきものの産地であること、また中庭が吹き抜けの大空間であることから、この作品が選ばれた。また、上部の青色は空の青を思わせ、胴部のストライプは天からの恵みの雨を思わせるなど、曇天が多く日照時間が少ない金沢の地を想起させる作品だとしている。