NEWS | 建築
2020.03.25 17:28
シンガポールでは、同国を建国したリー・クアンユーをはじめ、独立へと導いた世代の人々の建国の価値観や理想を称える施設「Founders’ Memorial」の建設が計画されている。
先ごろ開催された国際設計コンペの結果が発表され、隈研吾建築都市設計事務所と地元のK2LD Architectsによる共同設計案が勝利を収めた。
公開されたビジュアルは、近隣にあるウォーターフロントの植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」のドーム型施設とは対照をなすオーガニックなデザイン。景観から浮かび上がるような、大胆で想像力豊かな新しいタイプの記念施設となるようだ。
最終選考に残った他のデザインとは一線を画すコンセプトで、シンガポールの「庭園都市」という側面を強調しつつ、将来的な拡張も可能とするようだ。また、たんなる建物としてではなく、シンガポールの理想を反映した持続可能で先進的な環境に配慮したデザインとし、外部空間と内部空間が融合した、訪れた人に多層的な体験を提供することを目指している。
設計チームを率いる隈研吾は「Founders’ Memorialのデザインコンセプトは、シンガポール建国の指導者たちのレガシーをたどる旅というアイデアから生まれました。過去を称えることで、同時に現在や未来をも刺激するものとなります。このデザインは、新しい世代のシンガポールの人々が担う『生きた記念碑(living memorial)』となることを目指しています。記念イベントを行うスペースを確保するとともに、すべてが変わりゆくシンガポールのスカイラインと対照をなすことが目標です」とコメントを寄せている。