NEWS | 建築
2020.03.25 16:05
中国・深圳で建設が計画されている多目的施設「Shimao ShenKong International Centre」の設計コンペで、MVRDVの設計案「Shenzhen Terraces」が勝利を収めた。
101,300平米を誇るこの施設は、サステナビリティにフォーカスしながら、賑わいのある大学地区のコアとなるもので、ミニギャラリーや図書館、野外劇場など20以上のプログラムを備える新しい立体的な都市型リビングルームになるという。
MVRDVの提案は、景観やレジャー、商業、文化をシームレスに結び合わせて、このエリアに活気とイノベーションをもたらすことが目標。同市龍崗区の中心、高層マンションや商業施設、スポーツ施設、教育施設が集まる場所にあり、地域の公共スペースとして機能するそうだ。
メインのコンセプトは、積み重ねたような高台のあるさまざまな建物と既存の景観とを融合すること。テラスの水平なラインが、周囲にある高層ビルの垂直のラインと対照をなし、緩やかな曲線を描く形状が静けさをもたらしてくれる。
歩行者に優しい景観にさまざまな機能や公共交通機関を組み合わせることで、周辺エリアの持続可能なハブとなる。豊かな植物や水辺は周囲の気温を下げ、都会の野生生物にも安息地を提供。庭園や雨水の収集により食料資源や水資源を育て、コンクリートはリサイクルしたものを骨材とし、太陽光パネルが屋根の大部分を覆うことになる。
また、景観設計が専門のOpenfabricと共同で、小石のようなテラスの形をもとに、遊歩道のあいだに緑の区画や公共施設を配置。地域の亜熱帯性の自然林と同じ植物を植え、草の生い茂る丘やヤシの木があふれる広場、パブリックアート、光がきらめくプール、クライミングや卓球などのアクティビティゾーンなどを設け、太陽光パネルのない屋根に芝生を敷きつめて誰でもアクセスできるようにするそうだ。