東京大学工学部11号館に「HASEKO KUMA HALL」誕生
隈研吾建築都市設計事務所がデザインを担当

隈研吾建築都市設計事務所は、東京大学工学部11号館に誕生した「HASEKO KUMA HALL」のデザインを手がけた。これは、長谷工コーポレーションの寄付により、既存の講堂とラウンジを全面的にリノベーションするプロジェクトである。

正門に一番近いという立地を生かした、キャンパスにもコミュニティにも開かれた、アクティブなレクチャーホールの創造が目標で、ラウンジに天井壁面が一体となった大型スクリーンを設け、講堂とラウンジの連動を可能とし、「開かれた大学」にふさわしいホールが完成した。

ホールラウンジの両スペースを、「木の巣箱」というヴォキャブラリーを使って統合。ホワイエ部の「巣箱」には東京大学工学部の最先端の研究成果を展示して、ホールであると同時にミュージアムでもあり、ラーニングコモンズでもあるような、ゆるやかな機能複合をもたせている。

ラウンジ2階に面して、「ユーゴハン」というカフェを同じく「木の箱」をモチーフにしてデザイン。飲食のコミュニケーションも含めての立体的イベントの連動が発生する仕掛けとし、HASEKO KUMA HALLが今後、建築に関わる教育、交流の場として様々に使われ、思ってもいなかったような使われ方が生まれることを期待しているという。

この「ユーゴハン」の運営は、北海道当別町の社会福祉法人「ゆうゆう」が担当。先日、隈研吾自身が当別町を訪れ、彼らの農園を見て、そこで働く人々の生き生きとした表情、食材の新鮮さに感動したそうで、北海道の食材と木の空間が体験できる場となるだろう。End