「コクヨデザインアワード2020」受賞作品が決定
グランプリは記憶を物語る鉛筆「いつか、どこかで」

▲オバケ(友田菜月・三浦麻衣):鉛筆「いつか、どこかで」

コクヨは、働く・学ぶ・暮らすシーンで新しい価値を生み出すプロダクトデザインを集めて商品化を目指すコンペティション「コクヨデザインアワード2020」の受賞作品4作品を決定した。

今回は「♡」というテーマを設定。あえて読み方は設定せず、この記号をどのように読み、解釈するかを応募者に委ねることで、驚きのある、直感的に心を動かすような魅力やパワーを持った作品が集まることを期待したという。

グランプリに選ばれたのは、オバケ(友田菜月・三浦麻衣)による鉛筆「いつか、どこかで」。これは前世を持つ鉛筆だそうで、この世から消えてしまうはずだった廃材によって製作。

側面に書かれた住所と部材名はこの木が使われていたかつての建物や家具の場所で、凹凸のある質感や硬さ、ほのかな香り、キズ、日焼けの跡、塗料の色、木目など、1本1本ちがった豊かな表情に出会えるという。

▲鳥山翔太・柳澤駿:テープカッター「オルゴールテープカッター」

優秀賞は3作品に決定。鳥山翔太・柳澤駿によるテープカッター「オルゴールテープカッター」は、マスキングテープカッターにオルゴールの要素を加え、テープを引き出す動作に連動して綺麗な音色が流れるようになったもの。

▲山川洋平:位置情報付き緊急SOS発信機(ワンタイムPLB)「オヤコゴコロ」

山川洋平が手がけた位置情報付き緊急SOS発信機「オヤコゴコロ」は、何かあった時のために子どもの居場所を把握しておきたい「オヤゴコロ」と、居場所を把握されることに抵抗しながらも、何かあった時にはこっそり助けを求めたい「コドモゴコロ」を表現している。

▲Tuncay Ince:鉛筆「FROM TREE TO FOREST」

また、Tuncay Inceの鉛筆「FROM TREE TO FOREST」は、木と人間、森と社会の関係を意識したデザインで。鉛筆を立てて並べると付箋同士が支えあう森のように見え、付箋を使い鉛筆を削れば、木の伐採や森林破壊に見えるそうで、自然を尊重し大切にするよう促してくれる。End