木材産業の過去と現在を考察する展覧会
「Formafantasma: Cambio」がロンドンで開催

ロンドンのサーペンタイン・ギャラリーでは、展覧会「Formafantasma: Cambio」が2020年5月17日(日)まで開催中だ。

Formafantasmaは、アムステルダムで活動するイタリア人デザイナー Andrea TrimarchiとSimone Farresinのデュオ。彼らのアプローチは私たちが使う素材の歴史にまで遡り、その使用を進めるために開発されたサプライチェーンのパターンや、消費を通じて素材が将来的に生き残れるのかを考えている。

Cambio」は「変化」や「交換」を意味する中世ラテン語の「cambium」から派生した言葉で、同展では、木材産業のガバナンスについて実施中の調査を紹介している。

19世紀には植民地全体で「生物資源調査(bioprospecting)」が行われ、その結果、そこから生み出される利益や地球の生物圏にもたらされる影響の2つの面で、世界最大の産業のひとつが誕生。そして、長きにわたる商取引の発展と世界中での使用の拡大によって、この産業の規制は難しくなっているという。

展示作品のなかでもっとも古いものは、会場から数百メートルのところにある1851年のロンドン万国博覧会で初めて展示された希少な堅木のサンプルで、もっとも新しいものは、Formafantasmaが展覧会用にデザインし、2018年のイタリア北部の暴風雨で被害を受けた木材を使った家具やベンチである。

また、樹木の形成層や幹の周りにある膜、過去の記録、外側の樹皮なども披露し、中央のスペースには、インタビューで得たデータや調査結果を展示したり、研究をまとめた映像作品も上映している。End

Formafantasma: Cambio

会期
2020年3月4日(水)~5月17日(日)
会場
Serpentine Sackler Gallery
詳細
https://www.serpentinegalleries.org/exhibitions-events/formafantasma-cambio