北海道発のソファブランド「blocco(ブロッコ)」
東京・南青山にオーダーソファの路面店をオープン

ひとくちに家具と言っても、椅子をはじめとする脚もの、キャビネットのような箱もの、木枠にウレタンやフェザーなどのクッション材を詰め、布や革でくるむソファは、それぞれ異なる技術でつくられる。

2020年2月29日に東京・南青山にショールームを構えた「blocco(ブロッコ)」は、北海道・石狩に本社を置く1953年創業の沼田椅子製作所によるソファブランド。道内を中心にこれまで6店舗を構え、東京には三鷹店につづいて2店舗目となる。

bloccoのユニークさは、オーダーソファという新ジャンルを提案している点だ。張り地を選べるのは他ブランドでもよくあるが、座り心地を決めるクッションの硬さを20種類から選べるほか、座面の奥行き、脚や肘掛けの形や素材なども、各人の好みにあわせてオーダーできるというソファはあまり見たことがない。

それを可能にしているが同社の高いソファ製造技術で、石狩の自社工場で一貫生産しているからだという。

その技術力を製品とは違うかたちで見せているのが、青山店の店舗デザインだ。同社でソファをはじめ、キャビネット、テーブルをデザインしているKAICHI DESIGNの山田佳一朗さんが、自社の中根彩花さんとともに、内装デザインを担当した。「ソファの技術を前面に押し出した店舗デザイン」と山田さんが言うとおり、20種類のクッションパターン、木や金物製の脚のパーツなどが、オリジナルの什器にはめ込まれるようにディスプレイされているのだ。このフィッティングラボの什器をはじめ、店内に掲げられたブランド名、空調設備の周りにもソファ製造技術が活かされている。実際に青山店を訪れ、フィッティングラボで座り心地を確かめ、家具の丸みを帯びたディテールなどを見れば、ソファ技術とはいかなるものなのか体感できるのではないだろうか。

ソファブランドらしいアイデアが詰まった、他とは一線を画したショールームだ。End