ユダヤ教の「仮庵の祭り」の伝統的な建築を再解釈
インスタレーション「Succah by the Sea」

▲Photo by Hamish Mcintosh

2019年10月に豪シドニーで開催された野外彫刻展「Sculpture by the Sea Bondi 2019」の一環として、タマラマ・マークスパークにてインスタレーション「Succah by the Sea」が公開された。

地元のデザインオフィス Office Feuermanがアートディレクションを担当し、シドニーをベースにする6人の建築家が、ユダヤ教の「仮庵の祭り」(Succot)で建てられる伝統的な建築を再解釈したという。

▲Photo by Hamish Mcintosh

この祭りでは、期間中に仮設の住居である「仮庵」(Succah)が設計上の決まりにもとづいて作られ、食事や睡眠、勉強や集会のための場として家族で使用することになっている。

その決まりはそれほど多くなく、ヘブライ語の聖書では、壁の数、高さの下限と上限、屋根に使用できる植物の素材が指定されているだけ。それゆえ、建築家には新たな住居を生み出す無数の可能性があり、選ばれた6つの建築スタジオは古代のデザインと理念的なガイドラインを活かして再設計を行った。

▲Photo by Hamish Mcintosh

▲Photo by Hamish Mcintosh

▲Photo by Hamish Mcintosh

たとえば、「Inside-Out Succah」は外側を向いた住居で、インクルーシブなコミュニティでの会話を促し、「Trace」は腐食にさらされた石の重みから耐久性について考察。環境保護を考える「Supersuccah」はアルゴリズムを使用して材料の無駄をなくし、空を一望できる「Monolitus Domum」は自然環境の脆さを訴えている。

また、「Dune」は風と太陽から身を守れるオープンな住居で、軽量で移動可能な構造の「A Portable Territory」は、グローバル化された世界での相互作用を促すそうだ。

▲Photo by Hamish Mcintosh

▲Photo by Hamish Mcintosh

これらの仮庵にテーブルとベンチを設けて人々が集まれるようにし、テーブルの天板を鏡面にすることで周囲の環境を取り込むなど、シドニーの海岸線にユニークな公共コミュニティが生まれた。End

▲Photo by Richard Glover

▲Photo by Hamish Mcintosh

▲Photo by Hamish Mcintosh