NEWS | 建築
2020.03.03 17:41
先ごろパリのアルスナル建築博物館(Pavillon de l’Arsenal)で開催された展覧会「Hôtel Métropole – depuis 1818」において、建築スタジオ ciguëはホテルの客室デザインのプロトタイプ「a room for tomorrow」を公開した。
このプロジェクトでは、客室内にあるバスタブにフォーカス。何千とあるバスタブが日々満たされては排水されるが、この水はどこから来てどこに行くのかというのが同スタジオの問いだ。
そこで客室をできるだけ簡素化して、リサイクルしたオーク材の構造だけの実験的な空間を構築し、一般的な客室で使用される水の70%を節水できるシステムを作り上げた。
天上のない寝室の上には2槽のタンクがあり、1つは雨水を貯め、もう1つ目は植物を使った浄化システムと活性炭フィルターで飲料水を供給。バスタブと流し台はポンプとフィルターにつながっていて、循環システムにより水を処理して補充する。また、トイレは透明になっていて、排泄物を肥料やバイオマスに変換するようになっているそうだ。
こうした給水や排水のシステムは、ふだん私たちの目に触れることのないものだ。そこでこれを可視化することで、私たちの生活を見直し、ソリューションへといたる出発点にしたいそうだ。