NEWS | アート / 建築
2020.03.03 17:48
角川文化振興財団は、KADOKAWAと埼玉県所沢市が共同で進めるプロジェクト「COOL JAPAN FOREST構想」の拠点施設となる「ところざわサクラタウン」に建設される、同財団運営の「角川武蔵野ミュージアム」の外観写真を公開した。
「COOL JAPAN FOREST構想」は、みどり・文化・産業が調和した地域づくりのプロジェクト。「ところざわサクラタウン」は2020年7月17日(金)にオープン予定で、これに先立つ6月6日(土)に同館はプレオープンする(全館オープンは2020年11月を予定)。
図書館と美術館と博物館が融合した施設で、建築家・隈研吾が設計を手がけた。多面体の岩のデザインは、大地から隆起した建築物のようなダイナミックな存在感を放っており、見るものを大いに圧倒するだろう。
20世紀の建築はコンクリートと鉄という大量生産素材の時代だったが、これからの建築は物質というものをもう一度取り戻すべきだとの考えから、同氏は人間の心に響く「木」と「石」にこだわる。同時期に設計した「国立競技場」を「木」の代表とすれば、「石」の代表となるのが同館である。
外壁は、1つ50kg~70kgの花崗岩を約20,000枚使用。石は中国・山東省の山奥から切り出し、福建省厦門で加工しており、総量約6,000㎡、重さ約1,200tという莫大な量の石が使われる。
同氏が近年設計した「ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム ダンディ」のアイデアをスケールアップ。石の荒い肌をむき出しにして、たくさんの角を作りながら組み合わせていくという、かつてない特別な石のディテールが実現する。
これを「有角建築」を称したのは館長の松岡正剛。その複雑な凹凸は、一日の様々な時間軸の中でも太陽光が外壁を照らす角度によって、千変万化の様相をもたらすそうだ。