インフルエンザと戦うには「最初」が肝心!?
初めてかかった「亜型」に強くなる研究結果をUCLAが発表

▲コンピュータで作成したインフルエンザウイルスの3Dレンダリング
Dan Higgins/Courtesy of CDC/Douglas Jordan

私たちにとって身近でやっかいな病気であるインフルエンザ。実は、インフルエンザに「強い人」と「弱い人」がいるそうだ。同じタイプのウイルスに感染しても、それほど影響が出ない人とひどく悪化してしまう人がいるのだ。

ウイルスと戦ううえでカギとなるのは、これまでにかかったインフルエンザの「亜型」だけではなく、ウイルスに感染した「順番」だとする研究を、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)とアリゾナ大学(Uiversity of Arizona)の研究チームが発表した。

たとえば、2019年には「H1N1」と「H3N2」という2つの亜型が流行したが、「H1N1」よりも「H3N2」に感染して入院する人がはるかに多かったそうだ。

これは、1955年ごろに幼少期を迎えた人が初めてインフルエンザにかかったとき、「H1N1」は流行していたが「H3N2」はまだ存在していなかったからで、「H3N2」によってリスクの高い年配の人に多くの重症患者が出たのはそのせいであるという。

つまり、子どもの頃に最初にかかったのが「H1N1」亜型だった人は、最初に「H3N2」亜型にかかった人よりも、その後の人生で再び「H1N1」にかかったときに重症化する可能性が低くなるのだ。もちろん、「H3N2」が最初だった人は、その後も「H3N2」に対して強い抵抗力を持つことになる。

過去にかかったインフルエンザウイルスが将来にわたって各人の感染に影響を及ぼす、という考えを「免疫の刷り込み(immunological imprinting)」と呼ぶ生物学者もいるそうだ。自分や家族が初めてかかったウイルスがどんなタイプだったかを把握しておけば、重症化のリスクを抑えることにつながるのかもしれない。End