設計コンペ「2020 City of Dreams Pavilion」受賞者が決定
NYのアートイベントが環境を考えたデザインを募集

▲「The Pneuma」 Image:Ying Qi Chen and Ryan Somerville

米ニューヨークの参加型アートイベント「FIGMENT」は毎年、「City of Dreams Pavilion」設計コンペを開催しており、その受賞者を発表している。

Emerging New York Architects CommitteeStructural Engineers Association of New Yorkと共催しているコンペで、材料調達から期間終了後の廃棄・再利用まで、環境への影響を考えたパビリオンのデザインが要求されるという。

▲「Repose Pavilion」 Image:Parsa Khalili

勝利したのは、Ying Qi ChenとRyan Somervilleによる「The Pneuma」、およびParsa Khaliliによる「Repose Pavilion」の2作品。

「The Pneuma」は、硬くて重い資材ではなく空気を用いたパビリオン。リサイクルしたバランスボール、Twitchell社の「EarthTex」を使ったCradle to Cradle製品、そしてレンタル足場でできており、キャノピーからベンチまで形が変化する。限られた大量生産の素材と一般的な組み立て方法から、無限に形を表現することを目指している。

一方、「repose pavilion」は、40年前にできた「Reduce、Reuse、Recycle」のスローガンのうち、「Reduce」を「Repose」に置き換える試みだという。自然界には人類が長い間取り組んできたバランスと秩序があるが、現在はその転換期にある。こうしたさまざまな状況の不安定さを伝えるパビリオンである。

▲「Ecosphere」 Image:Murr Architekten

また、ファイナリストに選ばれたMurr Architektenの「Ecosphere」は、頑丈な足場と植物と光の緑の球体によるパビリオンで、創造的な記憶と空想を呼び起こしたり、相互作用や議論、解釈を生み出したりして、私たちと地球のつながりを気づかせてくれる。

▲「LaLuna」 Image:Guilia Ma with Space Travellers and Michele Versaci, in collaboration with Ilaria Bellotti and Masoud Khodadadi

▲「Wall of Inclusion」 Image:Ana Moricllo Pallares, Jonathan Rule, Olaia Chivite Amigo, and Maria Arquero de Alarcón

同じく、衣擦れや風の音などが生み出す軽さの感覚からまるで月にいるかのようなユニークな体験がえられるというGuilia Maらの「LaLuna」や、囲い込んだり分断したりする壁を再考して身体的にも政治的にもインクルージョンの場を創り出すAna Moricllo Pallaresらの「Wall of Inclusion」もファイナリストに選ばれている。End