NEWS | 建築
2020.02.26 15:18
スペイン・カタルーニャ州のラ・ビスバル(La Bisbal)には、かつてチョコレート工場だった小さな倉庫がある。
石造りのファサードのある3階建ての建物で、それぞれの階には異なる建築手法が使われている。1階は金属製の梁でカタルーニャのアーチ形天井を支えている。2階は金属製の梁を主要構造部とし、美しい木の骨組みを備えている。屋根には大きな丸太を使ってレンガ造りの薄いスラブを支え、セラミックタイルで仕上げている。
Anna & Eugeni Bachによるプロジェクトは、もとの産業用スペースを、オリジナルの特徴を活かしたファミリー向けのスタジオ兼住居スペースへと改装させるものである。より小さな部屋を配した新しいスペースとしながらも、3種類の天井が見られるように改修は最小限にとどめ、もともとのオープンなスペースが楽しめることを目指した。
従来の階段は残しつつも、新しい階段を建物の反対側の端に追加。これにより、共有スペースもプライベートな部屋も柔軟かつ多様に使用できるようになった。オーナー家族のさまざまなメンバーも、家の一部をプライバシーがあり自立したものとして享受できる。
居心地の良いこの地域の気候を考えて、1階のラウンジに囲まれたパティオ中央には小さなプールを設け、さらには新しいポーチ/キッチン/ダイニングルーム、2階のテラスを作るなど、新しい用途に合わせたリノベーションが行われた。屋外の階段もポーチの上に設置することで、屋内スぺースの柔軟性を活かしながら屋外スペースの用途にも合わせている。