NEWS | プロダクト
2020.02.20 15:08
家電メーカー・シロカから、全自動炊飯専用土鍋「かまどさん電気」が発売されている。三重県伊賀市の長谷園が手がける炊飯専用土鍋「かまどさん」を、火を使わずに全自動式にしたものだ。
この土鍋は、400万年前の「古琵琶湖層」の粗土を使用しており、熟練した職人が手づくりしているという。この伊賀の陶土には微生物の化石が豊富に含まれており、土鍋を焼き上げる際にその化石が燃え尽きて、無数の穴を作るので、「呼吸をする土」と呼ばれている。
この伝統工芸品をそのまま電気炊飯器が「かまどさん電気」。土鍋は炎であたためるものだが、これを再現するために選んだ熱源は、炎に近い熱源であるシーズヒーター(電熱ヒーター)。
電気で安定的に熱供給できる方法で、鍋内部の温度コントロールは鍋底に小さく埋め込んだ熱源を感知するセンサー受光部で行う。これにより、「かまどさん」の構造や機能をそのまま電気化することに成功した。
また、伊賀の土は「呼吸」するだけでなく、釉薬と相まって、金属や陶器にはまねできない遠赤外線効果を発揮。お米の表面に伝わった強い熱が内部に緩やかに届くことで、糊化(こか)が芯から行われ、ふっくらした炊きあがりになるとしている。
なお、同製品は、iFデザインアワード2020で最優秀賞「iFゴールドアワード」を受賞。日本の伝統工芸の陶器と、現代の素材とエレクトロニクスの組み合わせが評価されたそうだ。