NEWS | プロダクト / 見本市・展示会
2020.02.17 17:32
航空機メーカー・エアバスがSingapore Air Show 2020で公開した試作機「MAVERIC」は、これまでにない形状をした航空機だ。
従来は胴体にエンジンを搭載した主翼があり、後部には垂直尾翼や水平尾翼がある「tube-and-wing」型の航空機が一般的であった。これに対して、MAVERICは「ブレンデッドウィングボディ(Blended Wing Body)」と呼ばれる形状の機体をもつ飛行機である。
つまり、胴体と翼が一体になった機体のことで、このデザインによって燃料を最大で20%節約するほか、これまでのように機内の通路が縦に一本走っているのではなく、非常に広々としたキャビンができる。
今回製作した試作機は、全長2m、幅3.2m、表面積約2.25㎡の遠隔操作で飛ぶ小型のもの。同社の他の航空機と同じく風洞試験を行うなど、精度の高いものに仕上がっているという。
こうした飛行性能に加えて、機体中央の上部に搭載された「遮蔽型」エンジンのおかげで、騒音を大幅に低減できるとしている。
また、キャビンのレイアウトでも、通路や足回りが広くなったり、対面式のシートを設けたりと、機内で快適に過ごすことができる。実用化にはまだまだ時間がかかりそうだが、乗客体験も大幅に向上させる航空機になりそうだ。