光は案外ゆっくり進む!?
JAXAの研究者が光の進み方を可視化、動画で紹介

私たちは子どもの頃から光の速度、すなわち「光速」はきわめて速いものだと教えられてきた。秒速で約30万km進むそうで、太陽から地球までは8分17秒、月から地球は1秒強しかかからない。光は地球を1秒間に「7回半」も回ることができるのだ。

とはいえ、その速さがどんなものなのか今ひとつぴんとこない人のための動画が公開されている。動画を作成したのは、元NASAの科学者で現在はJAXAに所属するJames O’Donoghue(ジェームズ・オドノヒュー)博士。

Solar System vs. Lightspeed」と題したプレイリストには、いくつかの動画がアップされている。そこで彼が伝えたいのは、確かに光は速いが、太陽系は広大だということ。つまり、太陽系のなかを進む光はとてもゆっくりに感じられるということなのだ。

まず、地球を1秒間に7回半回る光の動画。これは確かに速いことがわかる。次いで、地球から月まで進む光の動画。これもかなり速いだろう。

では、地球から火星までの光の速さはどうだろう。これは3分2秒を要する。太陽から地球は8分17秒かかることはすでに述べたが、実際動画で見てみると、かなり時間がかかっているように感じられる。

そして、極めつけは太陽から冥王星まで。つまり、光が太陽系全体を横断するのにはおよそ5時間28分もかかってしまう。ここまでくると、光は進んでいるというよりも、止まっているようにしか見えない。光はじつは「遅い」ことがわかる動画なのだ。End