デンマークで「Cold War museum」が建設へ
冷戦期の秘密の地下壕をイメージしたデザイン

デンマークの北部に「REGAN Vest」と呼ばれる施設があるそうだ。これは、冷戦期に核戦争が起きた場合に国王や政府が非難するための核シェルターで、1960年代に作られたものの、その存在は市民には長らく秘密にされてきたという。

5,500平米を有するこの地下壕の内部は手つかずのまま残されており、2014年に保存が決定。2021年にはガイド付きツアーのみだが一般公開の予定で、これに合わせてモダンな施設や展示室、教育センターなどを備えた「Cold War museum」がREGAN Vestの隣に建設されることになった。

設計は地元の建築設計事務所 AART architectsが担当。地下60mにあるデンマークでもっとも秘密の場所という長年の謎をヒントに、地中の奥深くに隠された4つの「ブラックボックス」をイメージしたデザインとした。

森の奥深くに隠されているが、受付・展示棟だけが外から見えるようになっている。外装はアルマイト処理を施し、独自の耐候性構造を備えている。

ボックスの外観はみな同じだが、実務を行う管理棟、明るいカフェ&ショップ、柔軟で集中できる学習センター、そして自由に移動できる展示棟と、室内はそれぞれにちがう目的と雰囲気をもつ。

ボックス内では、地下壕への入口や、エンジニアの宿泊施設、そしてさまざまな歴史の断片といったものが伝えるREGAN Vestの物語の一部を垣間見ることができる。もちろん、博物館のテーマは、冷戦中に感じられたさまざまな脅威を提示することだ。核兵器の恐怖から政治的な状況、戦争のシナリオまで、冷戦に関するさまざまな視点を提供するだろう。End