アメリカを象徴する「スモールタウン」の実情を可視化
ユニークな研究分野「Townology」が分析結果を発表

アメリカの文化では、スモールタウンをアメリカの価値観を守る牙城のように考えている人もいるそうだ。しかし、こうした町がすべてアメリカ人の理想を体現しているとは限らない。

そこで、都市プランナーのGretchen Keillorとそのグループは、Sasaki Associatesから助成をうけて「Townology」という研究分野のチームを立ち上げた。「Townology」とは文字通り「町を分析する学問」で、人口統計や経済、環境、場所といったデータからアメリカのスモールタウンの多様性を明らかにし、そのタイプを定義・分類しようとする試みである。

今回は、150を超える指標のデータを収集し、全米各地にある数百に及ぶ町を分析・マッピングした。

この研究で定義されたのは、「Out West Outpost」、「Rustic Retreat」、「Shrinking Stead」、「Provincial Patch」、「Vibrant Village」、「Blue Collar Burg」、「Bucolic Burb」の7つのタイプのスモールタウンである。

詳しく見てみると、「Out West Outpost」は農地に近く都市から離れた町、「Rustic Retreat」自然の豊かな田舎、「Shrinking Stead」は貧困層の多い町、「Provincial Patch」はママとアップルパイに代表される平均的な町、「Vibrant Village」は都市のミニチュア版、「Blue Collar Burg」は製造業を中心とした工業地域、「Bucolic Burb」は収入の高い人が住む郊外、となっている。

「Townology」のサイトでは、より詳細な分布や具体例なども挙げている。たんに都会/田舎という二分法では分けられない、アメリカのスモールタウンの複雑なニュアンスや、これまでとは違ったアメリカの表情を知ることができるだろう。End