NEWS | アート / 建築
2020.02.07 13:25
スペインの建築家 フアン・ヘレロスが率いるstudio Herrerosが設計を手がける、ノルウェー・オスロにあるムンク美術館がリニューアルオープンを間近に控えている。
新しいムンク美術館は、ノルウェーの文化や歴史を保護し普及するためだけの施設ではなく、オスロのみならずノルウェー全体でコミュニティを結束させる要素をもつ、すぐれた都市の役割や歴史的責任を担う美術館という現代的なコンセプトを体現するものになるという。
ロビーとなる公共スぺースの上には、建物が垂直方向へと伸びる。ここにはレクリエーションや商業、文化、修復などの施設が入り、屋上にはテラスや展望台、クラブも設けて、エドヴァルド・ムンクの作品を楽しみながら、オスロの街のさまざまな歴史の層も発見できる場所となる。コミュニケーションを公共空間/視点の上昇として捉えるこのデザインは、垂直の美術館というこの異端の建築の本質なのだ。
さらに、さまざまなタイプの部屋やダイニングエリア、管理施設、図書室、教育センターなどがあり、多彩なプログラムを発信。訪れた人は、従来のたんなる連続した部屋と運営のための見ることができない部屋からなる美術館を超える概念を見出すだろう。
ファサードはさまざまな透明度の穿孔アルミニウムで仕上げられており、不可思議ではかない感覚をもたらす。そして、建物はオスロの気候の穏やかな刺激に反応して、その時々によって違った姿を見せる。
また、明るさやサステナビリティ、リサイクル性、メンテナンス性などをベースとしたパッシブハウスのコンセプトのもと、ノルウェーの人々が求めるエネルギー利用や環境への配慮を満たす建築となっているそうだ。なお、オープンは2020年秋を予定している。