椅子より床に座るイランの習慣に合わせたチェア
Arsalan Ghadimiによる「Lunule」

イランでは、長い年月にわたり椅子に座るよりも床に座ることを習慣としてきた。だから、シートやチェアがありふれている今日でも、座面にあぐらをかいて座る人が多いそうだ。

そこでプロダクトデザイナー Arsalan Ghadimiは、イランの人々の習慣とニーズに合わせたチェア「Lunule」を作り上げた。人間工学にもとづくだけでなく、イランの文化を反映させたチェアである。

特徴的なのはやはり座面で、湾曲した形状になっており、その上で楽に足を組んで座ることができる。さらに、このシートに座ることで、臀部にかかる力を膝や腿といった外側へと分散してくれる。

あぐらで長時間座っていても疲れを感じることはなく、背もたれ部分は短いながらも腰回りをサポートしてくれるという。

プロトタイプは10脚以上作ったそうで、スポンジを使った座面の成形には長い時間がかかった。最終的に、脚には木材を、座面にはレザーを使うことで落ち着いたとのことだ。End