高知の「虎斑竹」とドイツの木材を用いた
Shigeki Yamamotoの「PLAY BAMBOO CABINET」

独ベルリンを拠点に活動するプロダクトデザイナー Shigeki Yamamotoは、「PLAY BAMBOO CABINET」というユニークなキャビネットを公開している。

竹は日本の自然のなかではほとんどどこでも育つそうだ。それゆえ、あまりにもありふれていて、その存在に気がつかないこともあるだろう。

このことについては、デザイナー自身も日本に住んでいたころは大して気に留めていなかったそうだ。だが、改めて日本を旅行したときにこの素材に出会い、「Play Bamboo」という新しいキャビネットを思いついたという。

プロジェクトでは、たんにドイツと日本から材料を集めて作るだけでなく、それぞれの国でこの素材に取り組むことを目標とした。そして、ベルリンのワークショップでオーク材から2つのキャビネットを作ったのち、日本まで持参。

コンセプトにぴったりの竹を高知県須崎市の安和という地区で見つけた。この集落にある竹は、表面にある独特の模様から「虎斑竹(とらふだけ)」と呼ばれている。

また、日本では家具を作るのに竹を使うことはなく、まったく新しい挑戦になった。竹が割れないように、穴を開けるのにも工夫が必要だった。

ようやく完成した2つのキャビネットは、日本とドイツからの影響を象徴するだけでなく、オークと竹を直接並置させて、それぞれの独特の美しさを強調するものに仕上がっている。End