NEWS | フード・食 / プロダクト
2020.02.04 17:47
食に関する新しい分野に「Gastrophysics(ガストロフィジクス)」と呼ばれるものがあるそうだ。どうやら、食べるときに味覚だけでなく視覚や触覚といったほかの感覚も使って味わうのではないか、ということを考えるものらしい。神経科学や物理学、化学などの知識を使って、美食と料理のあいだのつながりを見つけようとするのだ。
このガストロフィジクスをもとにして、ウィーンのプロダクトデザイナー Teresa Bergerが8ピースの食器シリーズ「Beyond Taste」を披露している。
この分野のねらいの1つは、食事しているときに生じる感覚的な反応を解明することで、私たちのさまざまな感覚は、以前考えられていたよりもはるかに多い相互作用を行っているのである。
つまり、私たちのすべての感覚は互いにつながっており、食べ物を味わうにしても、見たり、聞いたり、嗅いだり、触れたりするものにも反応することになる。こうした「多感覚」の体験を提供することが彼女のプロジェクトのベースにある。
できあがった食器は、視覚と嗅覚で楽しめるように、ドーム型の器にスモークの煙を閉じ込められる Smoke Domeや、穴の開いた上のトレーが液体を下の器に落としていく Dripping Dishなど、まさに「味覚を超えて」、触覚に訴えかけるものである。
彼女はキッチンからテーブルまで、さまざまな形や色、テクスチャのテーブルウェア、あるいはほかの感覚の刺激が私たちの食の経験にどのように影響するのか、食べ物とデザインの相乗効果を探りながらユニークな方法を探究している。