建築事務所Peia Associatiによる立体的な壁面が特徴の
国際連合ジュネーヴ事務局の新会議場

▲PHOTO CREDIT:Peia Associati

国際連合ジュネーヴ事務局は、スイス・ジュネーヴにあるパレ・デ・ナシオンを拠点としている。この地にカタールから新しい建物が寄贈された。

この新しい会議場のデザインを、イタリアの建築設計事務所 Peia Associatiが手がけた。壁や天井の内装は、木でできた「砂丘」が円形ホールを覆うイメージでデザインされ、同スタジオ独自のプロセスを駆使し、しなやかで立体的な内装が生まれている。特徴的な木製の壁面は、2013年にミラノで設立された内装材メーカーWOOD-SKINの製品を用いることで実現しているそうだ。

▲PHOTO CREDIT:Peia Associati

このプロジェクトでは、カタールの外交や伝統、カリグラフィ、景観を現代の素材や技術、デザイン言語に落とし込んだという。

空間の特徴として重要なのは高性能の音響システムだ。パラメトリックモデリングソフトウェアを使い、表面を細やかに動かして、空間の技術的/音響的要件を満たすボリュームを実現。壁と天井の複雑な形状のパネルは音を広めるだけでなく、高音と低音の周波数をコントロールし、エコーを低減する。

▲PHOTO CREDIT:Peia Associati

照明は、FLOSが手がけたサーカディアン照明を採用。天井は繰り返される砂丘の起伏を思わせるもので、照明システムが日の出と日の入りの24 時間周期のリズムを作り出す。壁の木製の波形パネルは、円形の空間の音響を最適化するためにさまざまなリズムが用いられているが、平和と外交を促進する国連の使命を象徴的に表しているそうだ。

▲PHOTO CREDIT:Peia Associati

また、パネルは非常に軽量な素材でできており、既存のドーム構造に設置するにあたり補強する必要はなく、取りつけもすばやく簡単で、環境への影響は最小限に抑えている。End