MITらが新しいデジタルマップのモデルを開発
衛星画像に機械学習をかけて自動的にアップデート

▲Image: Google Maps/MIT News

デジタルマップの発達はめざましいものがあるが、地図データが限られている場所では、GPSナビゲーションがうまく機能しないこともあるだろう。

そこで、マサチューセッツ工科大学Qatar Computing Research Instituteの研究チームは新しいデジタルマップのモデルを開発した。これは、衛星画像を利用して、デジタルマップにある道路上のさまざまな特徴にタグ付けを行い、GPSナビゲーションを向上させるものである。

これにより、不慣れな場所でもドライバーに適切な情報を提供して、ナビをしてくれるという。たとえば、車線の数から分岐や合流を通知してくれるし、駐車場の情報によってドライバーは事前の計画がしやすくなる。自転車レーンの情報はサイクリストが混雑した街を通り抜けるのに役立つだろうし、最新情報があれば災害救助もはかどるだろう。

今回のモデルでは、衛星画像を機械学習にかけるそうで、定期的に情報をアップデートすることで、道路状況にも自動的にタグ付けが可能。さらに、道路が樹木や建物で隠れてしまっても、ニューラルネットワークアーキテクチャを活用することで、障害物の陰になった車線の数や道路タイプ(街路か高速道路か)を自動的に予測するそうだ。

また、カタールでは現在、2022 年のFIFAワールドカップ開催に向けて、新しい道路を作り、古い道路を補修している状況にある。このようにたえず変化する道路環境でも、畳み込みニューラルネットワークとグラフニューラルネットワークを組み合わせることで、ローデータだけからでも、人間の手を加えずに自動でアウトプットができるとしている。End