▲©️Le Bon Marché Rive Gauche

パリの老舗デパート「ボン・マルシェ百貨店（Le Bon Marché）」では、佐藤オオキが率いるデザインスタジオ nendoによるインスタレーション「ame nochi hana」が2020年2月16日（日）まで開催されている。

「雨の花」をイメージしたというこの作品では、自然のサイクルを詩的に表現。佐藤が雨だれや咲いた花の夢想をもとに、4つのインスタレーションを館内全体で展開している。

▲©️Le Bon Marché Rive Gauche

中央のガラス屋根から吊るされているのは、たえまなく動く「雲のしずく」で、これらは一粒ずつ下に落ちてゆき、花の形に変わって訪れた人の頭上で咲く。一度開いた花はやがてガラス屋根の方にまた昇ってしずくの形になる。それはさながら、白いマーガレットが揺れる野原のようだ。

そのほか、このテーマに合わせて、3階では、傘を差しながら足もとに映る傘の影とそこに現れるアニメーションを楽しむ「Uncovered skies」、1階では、20のボトルの形をした彫刻とともに晩秋から初冬にかけて降る時雨を表現した「Rain bottle」といったインスタレーションも披露。

▲©️Le Bon Marché Rive Gauche

佐藤はインタビューで、インスタレーションの「出発点は私たちの心や感情をリフレッシュすること」だと語っており、しずくは雨でもあり、また悲しみや涙も表すが、今回はこうしたネガティブな面ではなく、花にすることで生命や幸福、喜びといったポジティブな面をもたせた。

▲©️Le Bon Marché Rive Gauche

このアイデアは、佐藤がかつて三宅一生から「デザイナーとして、幸福や喜びを伝えるようにしなさい」とアドバイスを受けたことにヒントを得ているそうだ。