体内の医療器具をLEDライトで分解可能に!?
MITが消化器官治療に新たなアプローチを開発

▲MITが開発した胃内バルーン Image: Ritu Raman

様々な医療用具が、胃腸疾患の治療、診断、あるいはモニタリングのために、消化器官に挿入されることがある。多くの場合、これらは役目を果たした後に、内視鏡を使った手術で取り除かなければならない。そこで、マサチューセッツ工科大学(MIT)は、摂取したLEDの光がトリガーとなって医療器具を体内で分解させる方法を開発した。

新たなアプローチでは、研究者が開発した感光性のヒドロゲルを用いる。これを医療器具に組み込むことで、内視鏡手術の回数を減らすことができ、必要がなくなったり適切に機能しなくなったりした器具を、より迅速で容易に取り除くことができると研究者は話している。

ヒドロゲルやこれを使った医療器具は、生体組織が拒絶反応を起こすことはなく、ゲルは多様な形状に成形することが可能だという。研究ではブタの体内を使い、ラテックス製胃内バルーンと食道ステントで実験した。

▲体内に導入するLEDライト Image: Ritu Raman

研究チームは、口から飲み込み、その後は排出される小さなLEDライトを使用。バルーンのゲルで密封した部分に光を照射して萎ませることができ、器具は弱い光で6時間ほど、強い光だと30分以内に分解したそうだ。

また、ゲルで成形した感光性の食道ステントは、不要になれば分解して、消化管を通って排出されるとしている。End