UENOAが設計を手がけた
宮城県の建築用ビスメーカー・シネジックの新社屋

▲写真:平井広行

宮城県富谷市にある建築用ビスメーカー・シネジックの新社屋の設計を、建築事務所 長谷川欣則+堀越ふみ江/UENOAが手がけた。

この計画は、中大規模木造建築の構造用ビスを展開するシネジックの新社屋として、木造の可能性を広げる先進的な建築であり、ビスでの接合による新たな木造の普及に貢献するような提案が求められた。

▲写真:平井広行

▲写真:平井広行

同社では一般的なデスクワークに加え、実験や外部研究者との協働などものづくり特有の勢いのある業務も行われている。そこで新社屋では、社員同士の働き方が影響し合い、活発な対話や連帯感が生まれるような場と社内の雰囲気をつくりたいと考えたという。

▲写真:平井広行

まず、18mの大スパントラスによる大屋根により、一体空間に多様な場が遍在するようにし、このダイナミックな屋根架構に対して、地形的で動きのある床レベルを追従。手が触れるほど架構に近く覆われた場や、架構の空間の繋がりを感じるひらいた場などを設け、一様になりがちな大屋根建築のなかに、オフィスが機能するために必要な場所性が生まれた。

これらのあいだに動線を巻き付けることで、空間に緩急をつけ、視線の抜けに誘発されてくるくると移動しながら社内の情報が入り交じる社屋となることを目指したそうだ。

▲写真:平井広行

立体的な屋根形状は、105幅の住宅用集成材による平面トラスを三角形のパネルで緊結。平面トラスの緊結に、このパネルを採用することで、接合部の複雑な加工と金物による接合を回避。工場によるプレカットと現場でのビス接合という合理的な工法を実現したそうだ。

▲写真:平井広行

▲写真:平井広行

また、壁や床に使われることが多く重い印象のCLTパネルを屋根に軽やかに用いることで、CLTの新たな使い方の提案にもなっている。End

▲写真:平井広行

▲写真:平井広行

▲写真:平井広行

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