NEWS | フード・食
2020.01.16 15:37
CES 2020 Innovation Awardsの大賞を受賞した韓国のn.thingによるモジュール式の垂直農場「Planty Cube」は、単位面積あたりで通常の農地の数十倍を超える野菜を生産するプロジェクトだ。
完全に制御した環境で高品質の野菜を栽培するために、40フィート(約12m)コンテナを活用。内部をエントランス、発芽スぺース、栽培スぺース、作業スぺース、発送スペースに分けることで完全な密閉環境を作り出し、温度や湿度、予防措置などをコントロール。
その利点の1つは、モジュールシステムを採用することでスケーラビリティが得られること。この垂直農業は少ないユニットで開始できるし、簡単に拡大もできるという。従来の倉庫型では多額の初期費用を要するのに対し、モジュールシステムは市場の作物需要に応じて農場面積を簡単に増やすことも可能だそうだ。
農場は、栽培データにもとづいて「CUBE OS」が自動管理。すべての農場がネットワーク接続で管理でき、サーバーの容量も柔軟に拡張可能だ。IoTセンサーで環境をすばやく分析、サーバーは予期しない環境の変化にも反応してくれ、遠隔監視システムによりローカルエリアとのスムーズな通信もできる。
こうした空間で栽培した作物は非農薬なので、清潔で外からの有害物質の心配もなく、洗わなくても食べられる。また、外部の気候条件の影響を受けることがないので、つねに均質な作物を生産。従来の農業とはちがって周囲の環境を汚染したり変化させたりしないので、持続可能な農業モデルだとしている。