NEWS | 建築
2020.01.15 17:33
韓国・テジョンにある竹繊維を使ったベビー用品メーカーのために、同国のデザインスタジオ Starsisが社屋のリノベーションとなるプロジェクト「GROWING SPACE」を手がけた。
この界隈には多くのプレハブ建築があり、いずれも商品の製造や流通、梱包といった事業を行っているという。ただ、それぞれの建物には異なる歴史の痕跡が刻まれており、そのユニークなテクスチャにフォーカスして、埃や水滴といった時間の痕跡を以前のままにし、現在と過去をつなぐデザインを目指した。
外装の一部は190×90×60mmの赤レンガを使用。半永久的な素材で、建設当時のモダンなビルの象徴であり、軽く見えてしまうプレハブ素材に威厳を与えている。
このレンガは、拡張した1階部分の高さに沿って建物を上下に半分に分割するためのもので、両方が同時に平和的に共存できるようにしたという。
そして、もとの建物の一部を残すことで調和を演出。花壇は人々が思い出に浸れるように、かつてあった玄関などを偲ばせるように設計した。さらに、半透明のポリカーボネート板からは日差しが入り、柔らかい自然の光のもとに青々とした植物や竹細工を置くことで、高さ8mの空間の広さを強調。
この竹細工は、前庭の捨てられる予定であった竹をリサイクル。花壇の縁に沿って吊り下げられており、星の形をしている。前庭の竹でインテリアを作るというアイデアから面白いイメージが生まれ、各スペースの象徴になるものができあがったそうだ。