ミース・ファン・デル・ローエの建築と呼応する
Sabine Marcelisがデザインしたガラスのデッキチェア

スペイン・バルセロナのSide Galleryでは2020年1月12日(日)まで、Sabine Marcelisの個展「No fear of glass」が開催されている。

このイベントは同ギャラリーと共催しているミース・ファン・デル・ローエ記念館(Fundació Mies van der Rohe)にとっても初めての試みだという。個展のタイトル「No fear of glass」は、ミース・ファン・デル・ローエ(Mies van der Rohe)のバルセロナ・パビリオンについてJesep Quetglasが著した本「Fear of Glass」に因んでいる。

ミースはこのパビリオンでガラスを使い過ぎないことを求められたそうだが、Marcelisはこれに対してガラスだけで作品を手がけ、素材の限界を押し進めた。

バルセロナ・パビリオンに粘り強い感性で対峙するSabine Marcelisの作品は、2つのデッキチェアだ。一方は広くもう片方はより狭い幅で、どちらも、「オニキスの壁」から抜き取ったような、曲線になった層状ガラス板で構成されている。

まるで床上に浮かび、ベースはトラバーチンロマーノの床から連続しているかのように感じられる。また、このベース部分は膨らんでガラスと交差することでネックレストにもなり、デッキチェアに安定感を与えながら、形状を完璧なものにしている。

作品は、パビリオンのスケールに倣って注意深くデザインされている。デッキチェアの素材と構造に対する繊細さはデザイナーの欲求を反映したもので、これがパビリオンの現代的な建築と機能的なデザインと響き合うのだ。End