英dMFKが1980年代のオフィスビルを改築
レンガ格子のファサードで建物を明るい印象に

dMFKが手がけた「The Office Group York House」は、はっきりとした特徴のない凡庸な、1980年代の雰囲気を漂わせるオフィスビルを、現代的で明るいコワーキングスペースに改築するプロジェクトだ。

ロンドン市内ペントンヴィル・ロード(Pentonville Road)から奥に下がった場所にあるこの建物は、固い工業用のレンガを使った複雑なデザインのファサードにとても小さな窓が開いており、そのために不透明で閉鎖的な外観と、寂しげで薄暗いインテリアになっていた。

そこで、5階建ての構造物を通り側に新たに建て増し、その1階にはダブルハイトのエントランスを設けた。これにより、北にある地下鉄のエンジェル駅方面から、そして南にあるキングズクロス通り方面から、人々が出会う場所となることを期待したそうだ。

従来のレンガのファサードや溝付きコンクリート、Geoffrey Clarkeによる彫刻などを活かしながら、新たに加えた建物には同様のレンガを異なる方法で使用し、構造的に自立し隙間の空いたレンガ格子を、堅固性を確保するために45度の角度で設置。

また、屋上にはCLT材を使って新たに構造物を構築。ジグザグになった孔あきアルミニウムスクリーンで覆い、その端が空と穏やかに混ざり合うようにした。

インテリアは、率直なデザインで、オリジナルのコンクリートの素材感を活かし、CLTの構造も新たに加えている。End