シドニー近郊でオペラハウス以来の大規模プロジェクト
新施設「Powerhouse Parramatta」の設計案が公開

▲© Moreau Kusunoki / Genton

オーストラリア・シドニー近郊のパラマタで計画されている「Powerhouse Parramatta」の国際設計コンペが行われ、Moreau KusunokiGentonの共同設計案が勝利を収めた。

ニューサウスウェールズ州において、シドニー・オペラハウス以来の大規模な芸術・文化プロジェクトとなるもので、グレーターシドニー地区の多様なコミュニティを受け入れつつ、同国でもっとも古く重要な文化機関の1つを移転、応用芸術・科学美術館を新たに創設するという。

設計案は細やかな格子状の外骨格構造が特徴的で、外部から展示やコレクションを見ることができ、館内からは街と川の壮観な景色を提供。鋼鉄製の格子は建設効率を高めつつ、重量とCO2排出量を最小限に抑え、ファサードパターンも各層で変化する。最上階の格子には構造用木材を使用することで、「Powerhouse」が空に溶け込んでいく印象を与えるそうだ。

▲© Moreau Kusunoki / Genton

文化交流と共生のために人々が集う場所として、現地の長い歴史にインスパイアされた同施設は、来場者や地元の人々に日陰と緑があふれる「深呼吸の空間」を作り出す。

従来の美術館とはちがい、多機能的な「ハイパープラットフォーム」として、7つの柔軟な「プレゼンテーションスペース」を設置。国際的に重要なコレクションの展示や、没入体験によるダイナミックなプログラムが可能になる。

また、このスペースと格子状の外骨格のあいだには、日本の「間」に触発された中間スペースが追加できるそうで、休息やリラクゼーション、思考の場となるとしている。End