dmvAによる新しい可動式リビングユニット
サステナビリティと循環経済を考えた「Cabin Y」

▲Cabin Y

ベルギーの建築設計事務所 dmvAは、たまご形をした可動式のポリエステル・リビングユニット「Blob VB3」をかつて公開した。これは、同国のフランダース地方におけるオープンスペースと緑地の不足に対して、持続可能な答えを提案するものだった。しかし、製造していくには、金銭面で実現が不可能だとわかったそうだ。

そこで同事務所では、これに代わるものとして「Cabin Y」を新たに考案した。ともにビジョンは同じだが、目標は急速に進化する世界的なサステナビリティと循環経済をもとに再設定。シンプルさ、低予算、自給自足、素材の循環使用をベースとした。

この「Cabin Y」は、床面積が6 x 2.4m、高さ3.4mの梁状のボリュームで、平台型トレーラーに積んで簡単に輸送可能。キャビンはできる限り軽量にしたという。

構造は、木製のポーチを10個作り、それをX字型のステンレス鋼ワイヤーで固定した。これにより、クレーンで持ち上げるときに引張力と圧縮力が中和されるそうだ。木製ポーチのあいだには断熱材を設置。外装はカラマツの焼板を使い、内装にはホワイトオイル仕上げのマツを用いた。

ユニットには、トイレ、シャワー、ベッドを用意。屋根のソーラーパネルにより、再生可能エネルギーが供給される。正面のファサードは回転ドア式のガラス製で、鉄骨フレームを採用している。End

▲Blob VB3