数千のアクリルチューブが揺れてきらめく
Atelier Changのインスタレーション「Ripple Pavilion」

▲Photography:Kyungsub Shin

韓国の慶南道立美術館(Gyoungnam Art Museum)に登場した「Ripple Pavilion」は、ジョイントでつながったアクリルチューブによる数千の「ピクセル」が揺らめくことで、光と色を拡散させながらたえず表情を変える、波のように動くキャノピーである。

Atelier Changによるインタラクティブなインスタレーションで、人々の動きによってパビリオンの見かけは時々刻々と変化していく。パビリオン全体に現れるこの現象は、チューブに軽く触れることで始まり、それが横にあるピクセルにも波及して、波打つような効果が生まれるのだ。そして、この動きから色彩のきらめきが生まれ、あたり一面が虹色のうねりとなる。

▲Photography:Kyungsub Shin

パビリオンのコンセプトは、反応のある環境を作ることだという。子どもがタッチするという小さなインプットがきっかけとなり、バタフライ効果のようにピクセルの配列全体にわたって予期しないパターンが伝わるのだ。この遊び心あるパビリオンは、あらゆる年齢の人をいざない、自分だけの瞬間を創り出すことができる。

▲Photography:Kyungsub Shin

▲Photography:Kyungsub Shin

パビリオンの形状は、相互作用が最大になるように心がけたといい、波打つような二重曲面により、来場者の身長に合わせた接点が生まれた。立って鑑賞するのがよい場所もあれば、かがんだほうが楽しめる場所もあるようで、凹面と凸面の組み合わせにより、どの地点でも違った色彩が感じられるそうだ。End