企業や世代を超えて、モビリティを語る夜
オートモーティブ・デザイナーズナイト東京 2019

去る2019年10月23日、「東京モーターショー」プレスデー初日の夜、世界各国のカーデザイナーやモビリティ関係者、デザイン界隈の人々が、東京・六本木のアクシスビルに集結。カーメーカーのデザイン部門のトップやファブリツィオ・ジウジアーロ氏といった600名を超えるゲストが、「オートモーティブ・デザイナーズナイト東京 2019」の会場に続々と足を運んだ。

司会者からの、「デザインを楽しく、熱く語る夜にしていただけたら」とのイベント趣旨の説明が終わると、ステージに招かれたのは、スポンサーに名を連ねた企業の代表者たち。続いて、プライマリースポンサーであるブリヂストンの代表執行役副会長、石橋秀一氏が乾杯の挨拶を行い、2年に1度のカーデザインの宴が幕を開けた。乾杯に華を添えたのは、半導体企業の塩山製作所が立ち上げた、山梨県勝沼町にある「MGVs(マグヴィス)ワイナリー」のスパークリングワイン。会場では、マグヴィスワイナリーのワインサービスが提供され、1階ブラッセリー バトゥや地下1階の和食 菱沼でも、各店自慢の料理が振る舞われた。

メイン会場となった4階アクシスギャラリーには、スポンサー企業による展示ブースが軒を連ねた。ブリヂストンのブースでは、ゴムと樹脂を分子レベルで結合した世界初のポリマー素材「SUSYM(サシム)」のタイヤの試作を展示。さらにAGC、ハーマンインターナショナル、日南、テイ・エステック、東京貿易テクノシステム、イタリアのミコ社によるユニークな展示が並んだ。1階ル・ガラージュでは、シトロエンなどで活躍した経歴を持つカーデザイナー、山本卓身氏の「Takumi YAMAMOTO A Car as a Portrait」展が開催されており、地下1階では、マテリアルコネクション東京による素材の展示とともに、レーシングシミュレーターの試乗体験をするゲストの姿も多く見られた。

1985年のスタートから回を重ね、18回目となったオートモーティブ・デザイナーズナイト東京。企業や世代を超えて人々が対話を交わす姿が会場各所で見られ、主催者にもゲストにとっても、2年後への手応えを感じさせる場となった。(文/廣川淳哉 写真/谷本 夏)End

オートモーティブ・デザイナーズナイト東京 2019のフォトギャラリーはこちら