光と空間をテーマにしたアーティスト ジェームズ・タレル
展覧会「JAMES TURRELL: PASSAGES OF LIGHT」を開催

▲© James Turrell. Photo: Florian Holzherr

光と空間をテーマにした作品を手がけるアメリカのアーティスト、ジェームズ・タレル(James Turrell)にスポットを当てた展覧会「JAMES TURRELL: PASSAGES OF LIGHT」が、2020年3月29日(日)までメキシコシティのMuseo Jumexで開催中だ。

鑑賞者に光の存在を認識させ、人間の知覚の限界へと誘う没入型インスタレーションで知られるタレル。その作品は、芸術の規範なるものが定める大雑把な分類を越えてしまうものだ。

同展では2フロアにわたり、タレルの最新作を紹介。それぞれのインスタレーションは、厳密にコントロールされた環境で展開され、そこで形づくられた光を体験することができる。

▲© James Turrell. Photo: Florian Holzherr

光を素材として使うと、色が飽和した場が物理的な存在として現れる。光の持つ性質を科学的に考え、独自のアートビジョンを打ち出すことで、タレルは古来から現在においても関心の高い時間と空間についての言葉では表せない考察を行っているのだ。

「私の作品は私が見ることから生まれたものですが、私が見ることよりもあなた方が見ることに重きを置いています。私はまた、空間が存在するという感覚にも関心があります。あなた方はその空間で存在感というか、ほとんど実体といえるような、空間が織りなす物理的な感覚や力強さを感じることになるのです」とタレルは語っている。End